退職者のアカウント、いつ・何を・どの順で止めるか — 削除のタイミングとチェックリスト
この記事のポイント
- アカウントは「無効化(ログイン停止)」と「削除」を分けます。無効化は最終出勤日に、その場で行います
- 削除は、業務データの引き継ぎと保存期間の確認が終わってから。先に消すと、必要なメールやファイルが取り出せなくなります
- その人だけが知っている共有アカウント(部署メール、会社のSNSなど)のパスワードは、最終日に変更します
- 退職対応だけでは漏れが残ります。3か月に一度、「今いる人の一覧」と「アカウントの一覧」の照合を習慣にしてください
「退職者のアカウントは削除した方がいい」と分かっていても、「いつ・何を・どの順で」が決まっていない会社は多くあります。結論を先に言うと、ログインを止める(無効化)のは最終出勤日、その場で。完全に消す(削除)のは、引き継ぎとデータの確認が終わってからです。このガイドでは、その理由と、時期ごとのチェックリストを説明します。
なぜ放置が危ないのか
退職者のアカウントが残っていると、そのログインはシステムから見ると「正規の利用者」と区別がつきません。パスワードが漏れていても、本人が悪意を持っていなくても、入口が開いたままになります。
IPAの「情報セキュリティ10大脅威」では、「内部不正による情報漏えい等」が組織向けの脅威として10年以上連続で選ばれています(2026年版では7位)。大阪府警察も、不要なアクセス権が悪用され社内ネットワークへ不正アクセスされた事案があったとして、元社員のアカウント整理を呼びかけています。
問題は退職者本人だけではありません。使われていないアカウントは確認の目が届きにくく、外部の攻撃者にとっても狙いやすい入口になります。
「無効化」と「削除」は別々に考える
アカウントの停止には2段階あります。
- 無効化(ログイン停止) — その日からログインできなくなります。データは残るので、引き継ぎや確認は後からできます。最終出勤日に、その場で行うのが基本です
- 削除 — アカウントとデータ自体を消します。消すと戻せないため、業務データの引き継ぎ、必要な保存期間の確認が終わってから行います
先に削除してしまうと、引き継ぐはずだったメールやファイルが取り出せなくなることがあります。順番は「まず止める、消すのは確認のあと」です。
いつ・何を止めるか(時期ごとのチェックリスト)
退職が決まったら
- その人が使っているサービス・アカウントの一覧を作る(メール、チャット、ファイル共有、勤怠、会計、SNS、VPNなど)
- 管理者権限を持っているアカウントがないか確認する
最終出勤日
- 全アカウントを無効化する(ログインを止める)
- 共有アカウント(部署メール、会社のSNSなど)のパスワードを変更する
- 会社の鍵・ICカード・貸与端末を回収する
- 私物のパソコンやスマートフォンで会社のサービスにログインしていた場合は、その場でサインアウトしてもらう
翌営業日〜1週間
- メールやファイルの引き継ぎ先を決め、必要なデータを移す
- 取引先や顧客に登録されている連絡先が、その人のままになっていないか確認する
1か月後を目安に
- 引き継ぎと保存の確認が終わったアカウントから、削除する
- 一覧表に「無効化日・削除日・担当者」を記録する
棚卸しを習慣にする
退職のたびの対応だけでは、過去の漏れは見つかりません。3か月に一度など時期を決めて、「今いる人の一覧」と「アカウントの一覧」を照合してください。表計算ソフトの簡単な一覧で十分です。誰が・いつ・何を確認したかを残すことが、後で効きます。
まとめ:今日のチェックリスト
- 退職予定者のアカウント一覧を作った
- 「無効化は最終日、削除は引き継ぎ後」の順番を決めた
- 共有アカウントのパスワード変更を手順に入れた
- 3か月に一度の棚卸しの日を決めた
25の質問で自社の現状を確認できます。ブラウザ内だけで処理します。
理解度チェック
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Q1. 退職者のアカウントを止める正しい順番はどれですか
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先に削除すると、引き継ぐメールやファイルが取り出せなくなります。まずログインを止め(無効化)、確認が終わってから削除します。
Q2. 退職の日に対応が必要なのは、その人の個人アカウントだけですか
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部署メールや会社のSNSなど、その人が知っている共有アカウントのパスワードも最終日に変更します。
Q3. アカウントの棚卸しは、どのくらいの頻度が目安ですか
答えと解説を見る
退職対応だけでは過去の漏れが残ります。3か月に一度など時期を決め、「今いる人の一覧」と照合します。